コロナの風景

人生を振り返る。

まあ、大したことはなかった。平凡な人間だから。余生にも期待はしていない。往々にしてそんなものだろう。特別な人間なんてほんの一握りだ。ありふれた表現。こんな所に凡庸さが滲み出る。

だからダメなのか?いや、そうじゃないだろう。朝起きて、仕事に行って、帰ってきては寝る。ご飯が美味しかったり、あわただしく流し込んだり。

それでいいじゃないか。明日はそんなにいい1日じゃないかもしれないが、取り立てて悪い1日でもない。そんなことを思いながら、揺れ動く世界情勢を注視する。大袈裟。

ある意味、王様。ある意味、モブ。

世界史的に見ても、コロナ以前と以後では大きく変化していると記録されるだろう。911産業革命を越えるのかな。きっとそうだろう。

朝、通勤時にドラッグストアの前を通る。開店前なのに長蛇の列。ああ、今日はマスクの入荷日なんだね。自分の顔が冷めているのが分かる。いっそのこと地球が滅亡した方がいいかもね。そんな風に思う。何様のつもりだろう。

本当に危機感でそうしている人など、そんなにいないのではないか。結構な割合で、みんなそうしているから何となくそうしなきゃ、ぐらいで並んでいるんじゃないかな。そんな感じで視界を切り替える。ああ、凡庸な人たちがここにもいる。そりゃそうだ。みんな凡庸なんだから。

出口の見えない、あるかどうかも定かじゃない迷路はなんて苦痛なんだろう。ここは入口なのかな?五号目ぐらいには到達したのだろうか?

 

せめて心安らかに生きていかなければ。

明日は、明日が、明日こそは、いい日でありますように。