闘病日記(マジ)

シャバの空気は割と普通でした。

 

11月末の気胸再発による緊急入院から、再発率を抑えるため、手術を受けることにした。選択肢は年末か、さもなくば来年1月の中旬から下旬。前者は手術を受けて回復が順調なら年内退院だが、少しでも遅ければ年越ししちゃいますよ☆というものだったが、いつ再発するかビクビクするのもイヤなので、年越しも辞さない覚悟で年末の予定を全てキャンセルして入院。

前日までに年末年始の観たいTV番組をできる限り録画、それに伴いHDDの要領を確保。年始当初に必要な仕事をチェック。前回の入院時の荷物をそのままにしてあるので、その他の準備はせずに済んだ。

入院初日は気楽なもので翌日の手術までのスケジュールを説明され、夜9時から食事は禁止、翌10時からは水分も絶つとのこと。睡眠時は個室の方がいい性質だが、かといって個室も大げさだなということで、前回前々回ともに大部屋。今回も大部屋で先客が二人。一人はその日で退院。もう一人は以前の手術部位が化膿したとかで再入院だという。

翌日は手術する側の脇毛とその周辺部位の体毛を剃った後、麻酔を脊椎に沿って行う硬膜外麻酔チューブを挿入する為、手術室で一度仕込む。一度戻り、予定時刻が来るや歩いて向かう。あー、歩くんだ。

麻酔を打つとすぐに朦朧とし、気付くと終えたと伝えられる。なぜか泣く。危険性が低い手術なので、特にびびっていたワケじゃないのだが泣く。痰を出したくても出づらかったので看護師さんに「痰を出せずに泣いていたみたい」と両親に伝えられたという。いや、多分違うと思うよ。

ウトウトしては起きてを繰り返し、これはマズいと思いながら、やはり消灯時間からが辛い。仰向けから動くと手術側が痛むので体も動かせない。腰が痛い。寝ても細切れ。一時間だったり20分位だったり。腰が痛い。まだ2時か…腰が痛い。管を繋がれているので何だか尿が出にくいような気もする。腰が痛い。口が渇く。腰が痛い。熱も出た。腰が痛い。朝を迎え、心電図の機器が外され、TV台が傍に。この頃には少し腰が軽くなる。

しかし、手術部位の側を持ち上げたりすると、どうやら傷口よりも腕がひきつるように痛い。以前、手の骨折をした際に、手を心臓より下にすると血がグワーっと集まったように圧迫されて痛くなった経験があったが、それにかなり近い。

最初は筋肉痛のようなもの?と判断されていたが、わたしは筋肉痛に少しうるさい。こんな圧迫されるような筋肉痛は地球上に存在しない。しかし、手術ミスや麻酔によるミスなどではなく、手術時に腕を上げて圧迫されていたのが原因だというのは納得。

手術翌々日に背中の麻酔をチューブが抜かれ、尿管カテーテルを抜去。元の部屋に戻るが、起きると腕がまた圧迫されたように痛くなるので基本寝て、起きなければいけない時には少しマシなポジションを探す。どうやら少し腕を上げて付くようにするのがマシ。マシ。な程度。しかし、歩くとヤバい。どうやっても痛い。マシなのは手で反対側の肩を掴むように水平に挙げるやり方。しかし、マシ。な程度。トイレから部屋に戻ると雪崩れこむようにベッドにダイブ。

しかし、肺の膨らみは順調であり、管が抜かれると翌日のレントゲン次第で退院OKとのこと。でも明日に腕が良くなっているイメージがない。肺が心配で入院して、手が心配になって退院するという。落語に使える。機会がないけれど。

再移動後は入院中最も昼寝等に気を付けていたが、調子こいたせいか全く眠気が訪れてくれない。もういい加減寝ないと、と集中するも、今度は同部屋のおじさんが大きめのイビキを繰り返し、さほどでもなかった初日に比べて今夜の彼はどうかしてしまったのか?と考えだしては寝られない。ようやく寝ると腰が痛い。しかし、寝る前にはマッサージをしていたせいか、腕を動かしても日中のような痛みがないパターンがあり、「少しずつよくなるのか?」と楽観的になろうとしたが、少し寝て目が覚めると悲観的になる。朝が来ると、何だか前日とはまた微妙に違う部位や痛みかたの差異があり、悲観を通り越して絶望的になる。手術部位の痛みなんて気にもならないのに。

そうこうしている内に親が迎えにくる。シャツに着替えるのにいちいち休息や態勢変更が必要。パンツが履けない。履いたけど。昨日は寝たら腕の痛みは軽くなったけど、寝てもあまり変わらない。着替えてからベッドに倒れこむ。退院です。これでも。

と、これがほんの数時間前までの出来事。退院ホヤホヤ。さっき家に着いてしんどくなりながらブログを書くぐらいには余裕がある、余裕があるというにはギリギリすぎる。窮屈な態勢で圧迫され続けたことによる血行障害のようなもの。そういう患者さんもいる。と説明を受けたが、こんなことになるなら手術なんて受けなきゃよかったとまで思いつめている。

その割にはブログに顛末を書いている。

詰めてないじゃん、と言われたら全く返す言葉もないのである。

そもそも返す気持ちがこれっぽっちもないのだけれど。