(二)日(酔い)のサマー
8月は走馬灯のように過ぎ去ってしまったワケで。
いつからか突如出現した「平成最後の夏」とかいうキャッチフレーズは、残暑という負の遺産を残すクセに、自らは人々の記憶から跡形もなくあっという間に消え去ってしまうのだろう。ああ、無情。ヴィクトル・ユーゴーさもなくばアン・ルイス。
夏はビールだ。秋冬はウイスキーだ。春は何となく日本酒だ。多分、花見のイメージだけだ。酔っ払えば関係ないのだ。
一時期、クラフトビールにハマった。今もそれなりに飲んでいる。世界的にIPAが流行ったあたりからクラフトビールに関心を持った。ミーハーでしかない。知ってた。
IPAはざっくり言うと「ホップいっぱい」ビール。インディアンペールエールの略。そもそもペールエール自体が「ホップいっぱい」ビールなので、よっぽどホップを使いたかったんだなと覚えて帰ってください。流行の火付け役とあって、クラフトビール界隈では1番人気。華やかだもん。恐らく、ヴァイツェンやスタウトでは爆発的人気とはならなかっただろう。なお、発言に責任は持ちません。
ただ、クラフトビールを飲んでいくと、大手メーカーのピルスナーがよく出来てると分かる。ヱビスはもちろん、黒ラベルやプレモルってよく出来てるんだなと。スーパードライはアルコールの入った味の薄い炭酸だが、あれはあれで考えられている。ガバガバ飲んじゃう点では最適である。美味くはない。美味くはないがだからこそ。美味くはないが。
ちなみにスーパードライに親は殺されていない。なんとかピンピンと存命している。
夏が終わるとビールの扱いは途端にぞんざいになる。夏は生ビール♥️だなんだと持て囃しやがったクセに。
ひと夏の恋。
平成最後の夏もどうせ捨てられる運命なんだろう。
しかし、わたしは今日も明日もビールを飲むだろう。
平成最後の夏もビールを飲んだ。
夏じゃなくても飲むだろう。
平成が終わっても飲むだろう。
記憶は残るどころか、さだかでなくなるだろうが。